弾き語りというスタイルについて

 

馬頭琴を弾きながらホーミーで歌うというスタイル。「弾き語り」と呼ぶのはやや違和感を覚えます。だって「語」ってないですから(笑)。本来楽器を弾きながら歌ったり語ったりする言葉なのですが、ホーミーは語っていませんからね。言ってみれば、楽器を二つ同時に使っているようなものです。誰かこういうものを表現するのに良い言葉をご存知でしたら教えてください。

 

このスタイルで演奏をするのは、馬頭琴を始めた当初からの私の憧れでもありました。当時馬頭琴とホーミーが同時に出来るのは、本当か嘘か、日本人では8人しかいないと言われていました。その次、9番目になりたかったのです(やり始めてしまうと自分が何番目かなんてどうでもよくなるのですが^^;;)。

 

何故このスタイルでやるかですが、答えは簡単です。そもそも馬頭琴もホーミーも演奏家が少ないから。馬頭琴とホーミーの組み合わせがモンゴルの鉄板スタイルで、モンゴルでは分業でやっている人、つまりホーミーの専門家も沢山います。しかしここは日本、馬頭琴人口もホーミー人口も少ない中、相方なんてそうそう見つかるものではありません。ということで、結局自分でやるしかないのですね。

 

 

当初ホーミーが出来て馬頭琴が弾ければ弾き語りが出来る、と考えたのですが、世の中そんなに甘くはありません。そもそも楽器を弾くためには身体の力を抜かないといけないんですね。ですが、ホーミーで歌うためには眼一杯力まないといけません。ホーミーで歌っている人の額をよく見てみると、血管が浮いていたりします。このバランスにとにかく苦労しました。当然ながらホーミーを意識すると馬頭琴が弾けない。馬頭琴を意識するとホーミーが鳴らない。新たな修行の始まりとなりました。

 

まずはボウイングしながらホーミーをやることから始まりました。ホーミーをやっている時は馬頭琴はホーミーの基音に相当する音を出すだけ、ということです。実はこうやっているホーミー歌手って意外に多いのです。それでも格好は付くってことですね。

 

次のハードルはメロディーなんですが、リズムのある音ではやはり身体が付いてきません。最初にやったのはオルティンドーの「赤毛の四歳の馬」。この曲をホーミーでやる人は多いのですが、やはりリズムを気にしなくて良い点を積極的に使っているからでしょう。