馬頭琴との出会い
私が馬頭琴と出会ったのは、2001年11月2日のこと。この日は京都の磔磔に、とあるミュージシャンのライブを見に行ったのですが、昼間に京都のコイズミ楽器という民族楽器店に行きました。ここは馬頭琴購入のページでも紹介していますが、日本でも数少ない規模の大きい民族楽器店で、所狭しと民族楽器が並んでいるところです。私はそこで馬頭琴に出会いました。
ちょっと話は変わりますが、私がホーミーを始めたのは、実はその半年くらい前のことでした。ホーミーを始めたのは良いんですが、それだけで音楽になるというところまでは凄く大変な道のりに思えたんですね。正直、宴会芸の域をなかなか超えなんじゃないかと言う微妙に不安を覚えていたんです。
ネットで調べていくと、ホーミーは馬頭琴とセットになることが多く、音も合うということでした。ただ、34歳まで楽器を手にしたことのなかった私にとって、民族楽器をやろうなんていうのは凄く無謀なことのように思えました。
「これが馬頭琴なんだ」
初めて目にしたその楽器はとてもシンプルでした。ただ、あの馬の頭が凄い存在感なのです。やっぱりこれをやるのは「無謀なこと」にしか思えませんでした。そして他の楽器を眺めつつそろそろ店を出ようかな、と思った時、
「馬頭琴、弾かせてもらってもええかな?」
とある男性の声。振り返ると50歳くらいの、ミュージシャン然とした男性がお店の人に声をかけていました。しばらくして男性はその馬頭琴を手に取り、簡単にチューニングをすると演奏を始めました。
いや驚愕でした。音の存在感とか、迫力とか、一本の楽器とは思えない力を感じました。店の人に聞くと広島で活動しているミュージシャンの方だとのこと。この人が後々私の音楽生活に多大な影響を及ぼす、広島のライブハウスOTIS!のオーナー、佐伯雅啓さんです。
馬頭琴の生演奏とのはじめての出会いは、こうして唐突にやってきました。その日から私の頭の中に、馬頭琴の音が流れ出しました。毎晩毎晩その音がして、結局我慢できなくなった私は、次の週末にはその楽器を手にしていました。
これがその時に買った馬頭琴。勿論今でも
現役です。スランプを感じたり、初心に戻り
たい時に連れて行きます。